Singulatoがさらに5400万米ドルの「輸血」を受け、伊藤忠商事が第2位株主に
10月12日、スタートアップ自動車企業の奇点汽車(以下はSingulato)は、伊藤忠商事株式会社(以下は「伊藤忠」)から新たな融資を受けたことを確認した。今回は、前回のCラウンドの融資から、すでに1年半近くが経過している。
新たな融資が完了すれば、伊藤忠の持ち株比率は7%程度になる。昨年8月には伊藤忠が10億円(約905万ドル)を出資してSingulatoの株式1.12%を取得した。今回の融資後、伊藤忠深セン支社の堀越康久副社長が新たにSingulatoの取締役に就任することになる。これによると、今回の融資額は約5400万米ドルで、合計約3億5000万元に上る。
今回の増資を経て、伊藤忠はSingulato創業者兼CEOの沈海寅氏に次ぐ第2位の株主となった。 Singulato側はメディアに対し、次は伊藤忠がさらに増資してSingulatoの戦略パートナーになる可能性があると明らかにした。今後、沈海寅氏と創業者チームは筆頭株主を維持したまま、実際に会社を運営・管理すると強調した。
沈氏は、伊藤忠との提携により、Singulatoは、日本の自動車メーカーや部品サプライヤーとスマートEVの研究開発、生産などの分野でさらなる提携を広げる考えを示した。
2014年にEVベンチャーとして発足したSingulatoは、これまでに複数の融資を受けている。公式に発表されたデータによると、同社の融資総額は170億元を超え、投資家には聯想之星、奇虎360、インテル投資など多くのベンチャーキャピタルと戦略投資家が含まれている。
Singulatoは早くも2017年に量産車種を発表しており、年内には小量産化すると表明した。2018年1月、また年末までに新モデルiS6を発売すると発表した。iS6は北京汽車傘下の昌河汽車が江西省景徳鎮の工場で生産する予定だ。しかし現時点ではis6は量産の兆しはない。一時、賃金未払いの噂が出ており、会社は、資金繰りがうまく行かず、存続の危機に瀕するといわれた。今年4月、トヨタeQをベースに開発した小型EV iC3も発表し、2021年初頭に量産発売するタイムテーブルも示している。
iC3がiS6のように「難産」になるかどうかは不明だが、資本市場も新エネ車市場も冷え込みつつある現在、生産は実力や品質が不安になりがちな弱小地場メーカーに委託し、いまだに量産が実現していないSingulatoが厳しい状況に直面しなければならない。