XPeng、「小鵬汽車」から「小鵬集団」に社名変更 「フィジカルAI企業」転換の成否は新規事業の実用化がカギ

3月27日、新興EVメーカーの小鵬汽車(XPeng)は公告を発表し、2026年4月1日より会社の中国語名称を「小鵬汽車有限公司」から正式に「小鵬集団」へ変更すると明らかにしました。英語名称は引き続き「XPeng Inc.」を維持します。また、香港株の中国語略称は「小鵬汽車–W」から「小鵬集団–W」へ変更されますが、英語略称「XPENG-W」および証券コード「9868」に変更はありません。今回の名称変更は株主の権利に影響を与えるものではなく、株式の交換も不要です。

会社の公式説明によれば、今回の名称変更は企業の発展段階における重要な節目と位置付けられており、XPengが単一の完成車メーカーから、近年資本市場で注目が高まっているスマートカー、空飛ぶクルマ、AIチップ、自動運転、ヒューマノイドロボット、Robotaxiなど複数分野をカバーする「フィジカルAIテクノロジーグループ」へと転換しつつあることを意味します。会長の何小鵬氏は、この節目について「12年で一巡し、新たな出発点を迎えた」と表現しています。

「小鵬汽車」という名称は、海外市場において完成車メーカーとしての印象に限定されやすく、Robotaxiやロボットなど新規事業における協業の広がりにとって制約となる可能性があります。「集団」への変更により、単一事業のイメージを弱め、英語名称「XPeng Inc.」との整合性を高めるとともに、多角的なテクノロジー企業としての位置付けにもより適合すると考えられます。

すでに2025年11月のXPengテクノロジーデーにおいて、同社は「フィジカルAI世界におけるモビリティの探求者であり、グローバルに展開する具身知能企業」という新たな位置付けを打ち出しています。当時発表された第2世代VLA自動運転モデル、量産型Robotaxiソリューション、ヒューマノイドロボット「IRON」、空飛ぶクルマ関連システムなどは、多角的な事業展開の基盤をすでに形成しています。今回の名称変更は、こうした既存の戦略方針を制度面から改めて確認するものと位置付けられます。

事業構成については、XPengによれば、同社は近年、事業領域の拡張を進めています。空飛ぶクルマについては傘下ブランドが量産準備を進めており、年間生産能力1万台を計画し、すでに7,000台超の予約注文を獲得しています。コンピューティング分野では、自社開発の「図霊AIチップ」の累計出荷が20万枚を超え、社内の知能化システムの中核を担うとともに、外部への提供も開始されています。自動運転分野では、第2世代VLAモデルが「視覚・言語・動作」から「視覚・動作」へのエンドツーエンド構造へ移行し、応答効率および複雑なシーンへの対応力が大幅に向上しました。ヒューマノイドロボット「IRON」は量産準備段階に入り、Robotaxi事業も独立した主要事業として位置付けられ、2026年に実証運用の開始が計画されています。

財務面では、2025年の売上高は767.2億元で前年比87.7%増となり、第4四半期には初めて四半期ベースで黒字化を達成し、純利益は3.8億元を超えました。同時に、研究開発投資も継続的に拡大しており、年間の研究開発費は約95億元に達しています。このうち、空飛ぶクルマ、ヒューマノイドロボット、Robotaxiの3分野が合計で31.2%を占めています。

ただし、現時点においては完成車事業が依然として最も重要な収益源である点に変わりはありません。2025年の年間販売台数は42.9万台に達し、粗利率も改善を続けており、新規事業への投資を支えるキャッシュフローを提供しています。複数の事業を並行して推進する段階においては、主力事業の成長力が、引き続き高水準の研究開発投資を支えられるかどうかを左右すると考えられます。

ビジネスの観点から見ると、今回の社名変更は、重要な転換期において企業の位置付けを再定義するテクノロジー企業の動きに近いものです。その成否は、新たな事業領域において資本市場の関心を継続的に喚起できるかどうかに左右されますが、その前提として、今後2〜3年の間にヒューマノイドロボット、空飛ぶクルマ、Robotaxiといった新規事業がどの程度実用化・事業化できるかが、この転換を評価するうえでの重要な指標となります。

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