米国がH200輸出を容認も、中国側は調達見送り――中米AI半導体を巡る駆け引き続く

最近、米商務省が一部の中国企業によるNVIDIAのAI半導体「H200」の調達を承認したと報じられました。承認を受けた企業には、アリババ、テンセント、バイトダンス、JDドットコムなどの中国インターネット大手が含まれるほか、レノボやフォックスコンも、関連する販売・サーバー事業の資格を取得したとされています。
ただし、現時点で関連案件の実際の出荷は行われていません。米国側は輸出を承認したものの、中国企業側は実際の調達手続きを開始していない状況です。
こうした動きは、ドナルド・トランプ米大統領の訪中期間中に浮上しました。NVIDIAのジェンスン・フアンCEO(黄仁勲)も今回、トランプ氏に同行して訪中しています。市場では当初、今回の訪問を契機に、中米間の高性能AI半導体取引が一定程度回復する可能性があるとの見方も出ていました。
しかし5月15日に、トランプ氏は帰国途中、中国がH200の調達を見送っている背景の一つとして、中国政府が国産半導体産業への支援に資源を集中させている点を挙げました。これは、米国が一定範囲で輸出規制を緩和したとしても、中国側が直ちに米国製高性能AI半導体の大規模調達を再開する状況には至っていないことを示しています。
これについてフアン氏は5月19日のインタビューの中で、中国は市場開放と国内産業保護の間でバランスを取る必要があるとの認識を示しました。その上で、長期的には中国市場が徐々に開放され、将来的には再び米国製半導体を調達する可能性があるとの見方を示しています。一方で、今回の訪中ではH200の具体的な販売計画について中国側と直接協議したわけではないとも説明しました。
現時点では、中米間の高性能AI半導体を巡る駆け引きは依然として続いています。米国側はライセンス制度を通じて高性能半導体の輸出管理を継続する一方、中国側は国産AI半導体や独自の計算基盤構築を進めています。こうした状況の中、一部規制が緩和されたとしても、関連取引が本格的に再開するかどうかについては、依然として不透明感が残っています。