フォルクスワーゲン、中国製車両の輸出を検討 現地開発効率高め、グローバル体制を再編

4月の北京モーターショー期間中、フォルクスワーゲン乗用車ブランド最高経営責任者(CEO)トーマス・シェーファー(Thomas Schäfer)氏、同中国CEOロバート・ツィセク(Dr. Robert Cisek)氏は北京にて複数のメディアのインタビューを受け、同社の最新の中国市場向け戦略とグローバル事業体制の調整内容を明らかにしました。

シェーファー氏は、中国はフォルクスワーゲンにとって世界最大の単一市場であり、グローバル販売台数の約4割を占めると述べました。同社は中国市場の規模を安定させ、2030年まで現在の市場シェアを維持することを目指しています。

同社は現在の核心戦略として、中国の現地化転換を深化させると同時に、グローバルな地域別事業体制を再構築しています。現在、中国生産車の輸出可能性を検討していますが、欧州向けの輸出計画は現時点では策定しておらず、中国の生産能力を活用した中東など海外市場への事業展開を重点的に検討しています。

また、地政学的環境の変化、各国の関税強化、世界市場の地域細分化といった影響を受け、フォルクスワーゲンは「地域独立運営」戦略を導入しました。同時に米州地域の現地生産体制の拡充を推し進め、現地生産によって各地域の政策に対応し、貿易障壁を回避しています。

ロイターが4月30日に報じたところによると、フォルクスワーゲングループCEOオリバー・ブルーメ(Oliver Blume)氏は、利益減少に対応するため、中国限定車種を欧州に導入・生産し、欧州域内で販売する可能性があると表明しました。

中国市場における電動化・知能化の競争激化、価格競争の定常化、産業再編成の動きに対し、フォルクスワーゲンは盲目的な販売台数拡大や価格競争への追随を行わない方針です。同社はガソリン車事業の市場優位性により安定した利益基盤を保有しており、技術開発、販売ネットワーク整備、車種改良へ継続的に投資し、持続的な成長を堅持しています。

技術面では、中国市場の急速な技術革新に対応するため、フォルクスワーゲンは中国市場専用の電気電子アーキテクチャであるCEA(China Electronic Architecture)を開発しました。2026年下半期以降、CEAを基盤に開発された全車種に車載AIエージェントが搭載され、中国現地で学習させた大規模言語モデルを活用した能動的な自然言語対話機能が導入され、ユーザーデータは全て車内で保存されます。さらに、低価格帯の主流市場に対応する汎用的な運転支援システムの共同開発も推進しています。

このプラットフォームはXPeng、CARIAD中国と共同で開発され、わずか18か月で実用化が実現しました。CEAの導入により、新車開発期間は30%短縮され、中国現地での研究開発コストは40%削減されています。フォルクスワーゲン中国には3000人を超える研究開発スタッフが在籍しており、ドイツ本社以外で最大規模の研究開発拠点となっています。

知能化戦略において、フォルクスワーゲンはHorizon Robotics、CATL(寧徳時代)、Gotion(国軒高科)など中国の有力企業と提携しています。同社は単純に中国の技術を購入して自社製品に搭載するのではなく、深度かつ実効性のある連携を通じ、中国のAI・ソフトウェア環境と、フォルクスワーゲンが百年にわたり蓄積したシャーシチューニング技術、安全基準、製品信頼性を融合させています。これこそが同社の差別化された競争優位性となっています。

車種投入計画については、フォルクスワーゲンは2026年に中国市場に13車種の新エネルギー車を投入し、純電気自動車、プラグインハイブリッド、レンジエクステンダーの3つの駆動方式をカバーします。2029年までに中国市場の新エネルギー車ラインナップは30車種以上に拡充されます。傘下のジェッタブランドは全面的な電動化を推進し、第一段階で4車種を発売し、10万元クラスのコンパクトカー市場を主な事業領域としています。フォルクスワーゲンは、2030年までの世界の新規電気自動車販売台数の半数がコンパクトカー市場から生まれ、コスト管理が核心的な競争力になると予測しています。グローバルな車種計画も並行して推進され、2027年には欧州で9車種の全新規純電気自動車を発売し、2028年には南米で11車種の新車を投入します。

サプライチェーン面では、フォルクスワーゲンの中国現地調達率はほぼ100%に達しており、欧州・南米向けの一部部品も中国のサプライチェーンから調達されています。

15

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です